「もう、もうっ……源には会えないっ!!ううっ……会えないのっ!!」
「っ……秋乃、先輩っ……」
ズキズキと胸が痛んで、張り裂けそうなほどに苦しい。
この痛みも、涙も……ずっと秋乃先輩が一人で抱えてきたモノだ。
「秋乃先輩、どうか源先輩を好きな気持ちだけは見失わないで下さいっ!!どうか、その想いでまで悲しみに染めないで……っ」
「でもっ、私のせいで、源はっ……」
「聞かせてくれ、秋乃。秋乃が自分を責める理由を」
ずっと見守っていた蒼大先輩も、祈るように扉に手を添えて、そう声をかけた。
「っ……」
「力になりたいんだよ!!頼むから、一人で抱えるな!!」
「蒼大……」
蒼大先輩の言葉に心動かされたのか、秋乃先輩がガタッと扉の傍に寄ったのが分かった。


