「秋乃、学校にも来てないですよね?」
「えぇ、部屋から出て来なくなってしまって、私も腫れ物を触るみたいに扉越しに声をかけるくらいの事しか、出来なかったの……」
「博子さん……」
博子さんも、大事な娘が引きこもってしまって、どう接したらいいのかが分からないんだ。
「最近まで、学校には行けてたのよ。だけど……学校で何かあったのかしら……何日か前、泣いて帰ってきたと思ったら、そのまま部屋にこもってしまったわ」
「何日か前……まさか、静月」
「もしかして……」
私と蒼大先輩が、秋乃先輩に会いに行った日。
私たちが源先輩の事を話した日なんじゃ……。
蒼大先輩も考えがそこに至って、私と蒼大先輩は顔を見合わせた。
「すみません、俺たちにも原因はあるかもしれません」
「蒼大くん達が……?」
「俺たちが、源の事を思い出させるような事を言ってしまったから……」
だとしたら、私たちは……秋乃先輩を追い詰めてしまったかもしれない。


