「でもまさか、蒼大くんに彼女が出来てたなんてね。私、驚いちゃったわ」
「博子さん、俺たちは……」
博子さんは私と蒼大先輩が付き合ってると勘違いしてるみたい。
このままだと、蒼大先輩に迷惑かけちゃうよね……。
「私の先輩なんです、色々面倒を見てくれてて、お世話になってるというか……。なので、付き合ってるとかじゃありません」
そうハッキリと言うと、蒼大先輩が何故だかガッカリしたように肩を落とした。
蒼大先輩??
不思議に思って隣に立つ蒼大先輩を見上げると、そんな蒼大先輩の片に博子さんが手を置いて、「頑張りなさいね」と励ましていた。
「博子さん、今日は秋乃に会いに来たんですけど、良いですか?」
「そうだったの……でも、もしかしたら蒼大くんなら……」
博子さんは何かを考え込むようにそう言った。
耐えかねて、蒼大先輩は「秋乃に何かあったんですか?」と尋ねる。
「そうね、蒼大くんになら話しておいたほうがいいわね。中で話すわ、2人共あがって」
博子さんに促されて、私たちは秋乃先輩の家におじゃまする事になった。


