記憶の中で生きる君へ、この空に誓う



放課後、下駄箱前で合流した私と蒼大先輩は、学校の最寄り駅から電車で10分の所にある秋乃先輩の家の前へと来ていた。


「ここだよ、秋乃ん家」


「ここが………」


住宅街の中にある秋乃先輩の家は2階建ての一軒家で、大きな自転車の隣に、三輪車が止めてある。


弟か、妹がいるのかな……。

そんな事を思っていると、「あの……」と遠慮がちに声をかけられる。


2人で後ろを振り返ると、買い物袋を持ったショートヘアーの女の人が立っていた。


「あ、博子さん!!」


「あら、蒼大くん??」



蒼大先輩と女の人は顔を見合わせた途端、知り合いなのか、笑みをこぼした。


「静月、この人が秋乃の母さんだ」


「初めまして、秋乃の母の博子です。蒼大くんはよく、源くんと一緒にうちで遊んだのよ」


この人が、秋乃先輩のお母さん……。

秋乃先輩に似て、綺麗で優しそうな雰囲気だった。