「っ、止めるな、静月!!俺が、少しでも可哀想だと思ったのが間違いだった!!こいつは、こいつが源をっ!!」
「うっ…ぐっ……お前も、人殺しになれっ…ハハッ!!」
「てめぇ!!」
ービリビリッ!!
あぁ、これが蒼大先輩の『怒り』と『悲しみ』。
あふれでて、止めた方が分からないんだ。
唯一無二の親友と、その彼女を傷つけた人間が、目の前にいるから。
「てめぇがっ………」
梶先輩を責めながら、蒼大先輩は泣いていた。
私、どうして気付かなかったんだろう。
そんな簡単に、親友を傷つけた相手を許せるはずなんてないよ。
私の、物差しで考えてた。
私は、中立だからそう言えるだけ、蒼大先輩の今までの苦しみに、気づいてあげられなかった。


