信じられない気持ちで、男の子を見つめていると、男の子は不思議そうに首を傾げる。 そしてすぐに、「あぁ、ごめん!」と言って私に軽く頭を下げてきた。 「えっ??」 「俺は最上 蒼大(もがみ そうた)、高3!女の子に先に名乗らせるとか、気がきかなくてごめんな?」 ーいや、そうじゃないから。 と、喉まで出かかった言葉を、ゴクリと飲み込む。 紳士的というか……律儀な人。 美男な上に、この律儀さ……さぞかしモテるだろうな。 というか、この人先輩だったんだ……。