「ガソリンに引火したせいで爆発が起きて、お父さんを目の前で失ったんです」
「源……っ」
「源先輩は、それを、自分のせいだと思っているみたいでした……」
『俺が……消えてくれなんて…言ったからっ!!』
あの言葉が、頭から離れない。
それが、お父さんの事故の原因だって、源先輩は自分を責めてる。
「アイツが人殺しって噂を否定しないのは、理由があったんだ。でも、源は人殺しなんかじゃない」
蒼大先輩の言葉に、私は頷く。
きっと、お父さんとの間に何かあったんだ。
源先輩が、自分を責めるような理由が……。
「どうして、源が人殺しなんて言ったんだよ、お前」
「…………うる、せぇ……。今さら、掘り起こすんじゃねぇよ、もう二度と、俺に関わんな!!」
「あ、おい待て!!」
蒼大先輩の制止も虚しく、梶先輩は逃げるように私たちの前から走り去ってしまう。
その場に、私と蒼大先輩が残された。


