そして、源先輩の姿が完全に消えると、今度はそこに、梶 航平が現れた。
………え?
てっきりここで記憶が終わると思っていた私は、驚きで目を見張った。
事故から何日か経っているのか、事故の傷跡は残るも、壊れた電柱やガードレールは綺麗に整備されている。
『俺が……人殺しになる、か』
私は、虚な瞳で、事故現場を見つめている梶 航平と向き合うように立っている。
これって、トイレで源先輩に梶 航平が言われていた言葉だ。
『当たってる、お前……復讐のつもりか…。ククッ、お前じゃない、俺が、人殺しだ』
どういう……意味??
梶 航平は、源先輩に言われた言葉の意味が分かってるように思えた。
『俺を恨んでるか、茂木……』
っ!!
その言葉から感じるのは、確かな『後悔』だった。
梶 航平は、源先輩をイジメてた事に、後悔してる??
まだ何か聞けるかもと思っていた私は、「静月っ!!」という声に一気に現実に引き戻された。


