記憶の中で生きる君へ、この空に誓う



『俺が……消えてくれなんて…言ったからっ!!』


空に叫ぶ源先輩を見つめながら、私は涙を流した。


源先輩、源先輩が自分を責める理由は何ですか?  


知って何が出来るのか、まだ私にはわからないけど……源先輩の、抱えてるモノを知りたい。


先輩が殺したなんて、嘘だ。


怪我人はいないし、死人は源先輩のお父さん。


ーーきっと見つける。

迷い無く、そう思った。


私の隣で絶望する源先輩の前に回り込み、向き合うように立つ。


きっと、きっと見つけます。


私なら、あなたの記憶に触れられる。


源先輩が、覚えててって、私の記憶の中に私だけはと言ったから……。


だから、源先輩の事を全部知って、あなたという一人の存在を、探してみせるよ。


目の前の風景が、変わっていく。

目の前の源先輩の姿が霞んでいった。

記憶が終わる……。


だけど、私は源先輩から目を離さなかった。

その姿を目に焼き付けるように、源先輩を見つめる。