「死人も出たんだぞ、アイツは人殺しなんだよ」
「源がそんな事するわけないだろ!!」
「みんなもアイツを人殺しだって言ってる。それにもう、死んだ奴の事なんてどーでも良いだろ!!」
声を荒げる梶 航平と、怒りに震える蒼大先輩。
間接的にも、源先輩の自殺には、今回のイジメが関係してる。
今すぐにでも、殴ってしまいたいに違いない。
「みんなが言ってても、真実じゃないかもしれない、です…」
「確かめる方法なんて、ねぇだろ。死人が生き返らない限りなぁ!!」
「……記憶は、残りますから……」
私は、そっと、横断歩道に近づき、青になると、一番歩道に近い白線に残るタイヤ痕に触れた。
「お前、なに言って……」
「静月、悪い……いや、ありがとな」
私が記憶に触れようとしている事に気づいて、先輩は私に声をかけた。
謝られるより、ありがとうって言われた方がいい。
私も、蒼大先輩の力になれるんだって、思えるから。
私は一つ頷き、記憶に触れる事に集中する。
「っ……」
すると、徐々に変わっていく景色。
そセピア色に染まり、あの日、交通事故が起きる前に、遡る。


