「源っ、秋乃っ!!」
「蒼大……先輩っ……」
私は、ガンガンと地面を殴り付ける蒼大先輩の手を両手で包むように握った。
その手から、少し血が滲み、赤くなっている。
「お願いしますっ……蒼大先輩まで、傷つかないで下さいっ……」
「静月………?」
「私っ……2人が傷つけられてるのに、何も出来なかったっ!!もう、誰かが傷つくの、見たくないんですっ」
ポロポロと泣く私を、蒼大先輩も泣きそうな顔で見つめてくる。
「……俺たちは、傷を分けあってるんだな……」
「はい……」
そう、私たちは傷を分けあってるんだ。
この痛みは、一人じゃない、2人のモノだ……。
「静月っ……」
「はい、蒼大先輩っ………傍に、いますからっ」
お互い、すがるように抱き締め合う。
私たちは、一人で戦うには弱すぎるから、一緒に……。
この先、もっと悲しい真実が私たちを待っているのだとしても、2人で、進んでいけるように、強く強く、お互いの存在を確かめるように、抱き締め合った。


