「ふふっ……会話は出来ないんですけど、感じる事は出来ます。人より、ずっと分かりやすい」
「へぇ~」
蒼大先輩は、片足を立てて、その膝の上に肘をつき、その手のひらに顎を置いて私を見つめる。
その瞳が、なんだか嬉しそうに見えた。
現に、蒼大先輩から感じるのは、ポカポカとした、『喜び』の感情。
「??どうして、蒼大先輩嬉しそうなんですか?」
「静月には、俺の気持ちが筒抜けだな!」
「あっ、ごめんなさ……」
「違うぞ、俺はそれで良いって思ってる。だって、そうすれば静月は、俺が本気で静月を大切に思ってるって、伝わるだろ?」
大切に……大切にっ!?
蒼大先輩は、私の事を大切に思ってくれてる?
な、なんで私なんか……。
パチクリと瞬きをすると、蒼大先輩は可笑しそうに笑った。


