「ニャア!」
おばあちゃんがご飯を作っている間、私と蒼大先輩は、縁側に出た。
すると、ノラが私の足にすり寄ってくる。
「静月ん家、猫飼ってたんだな!」
「飼ってるというより、エサ欲しさに来てるって感じです」
苦笑いを浮かべていると、蒼大先輩がノラに手を伸ばす。
すると、ビリッとノラの感情が揺れた。
「シャアッ」
「け、警戒してる……何もしねーよ?だから、こっち来いって、な??」
威嚇するノラに諦めず話しかける蒼大先輩。
その姿に、私は「ふっ」と笑ってしまった。
「おいで~、静月、名前はなんて言うんだ?」
「ノラです」
「ノラ~、おいで、ノラ~」
めげずにノラに話しかける蒼大先輩を見かねて、私はそっとノラの頭を撫でる。


