「………おばあさんも、エメラルドグリーンなんですね」
さっきまで黙っていた蒼大先輩が、ポツリと呟く。
私とおばあちゃんは、顔を見合わせると、つい笑った。
「話してなかったですよね、蒼大先輩。おばあちゃんには、私と同じ力があります」
「静月の祖母……高塚 砂月(たかつか さつき)です」
おばあちゃんが、蒼大先輩に頭を下げる。
すると、蒼大先輩が慌てておばあちゃんに頭を下げた。
「俺、最上 蒼大です、静月さんには、いつも助けられていてっ」
「あなたは……優しくて、澄んだ心をしているのね」
「え……?」
「いいえ、何でもないのよ。あぁ、そうだ、夕飯を家で食べていくのはどうかしら?」
おばあちゃんは名案を思いついたみたいに両手を合わせると、蒼大先輩に笑いかける。
「え、いいんですか!?」
「もちろんよ、ね?静月」
すると、おばあちゃんが私に同意を求める。
私が「蒼大先輩さえよければ」と頷くと、蒼大先輩は嬉しそうに笑って、うちで夕飯をとる事になった。


