「っ………はい、蒼大先ぱっ」
流れる涙を、蒼大先輩が拭ってくれる。
鼻をズズッとすすると、蒼大先輩は微笑んで、私の頭をポンポンッと撫でた。
「おや、お友達かい、静月」
2人で見つめ合っていたら、不意に声をかけられた。
慌てて蒼大先輩から離れると、私達の傍におばあちゃんがやってくる。
「おやおや、静月が彼氏をつれてくるなんてねぇ」
「ち、違うから!!」
「ふふっ、冗談だよ。おばあちゃんには、何でもお見通しだからね」
あ……そうだった。
おばあちゃんには、私の感情が分かる……だから、何が真実が嘘かなんて、お見通しだ。
おばあちゃんに、からかわれた!!
ニコニコと笑うおばあちゃんに、私はため息をついた。


