Wエース

相手の点数は8点
俺達はまだ、3点しかとれてない

『ねぇねぇ、鈴里負けるんじゃない?』

『えぇ、強豪なのに!?』

周りからの期待が無くなってきたのがわかるくらい、今の俺達はピンチだ
これだから強豪は・・・・・・
期待されればされる程負けた時のショックが大きい

『こりゃ、試合決まったな』

『今年の鈴里はどうしたんだー?』

今までが、凄かっただけじゃないのか?
とか、観客は口々に文句を言い始める
辞めろ、辞めろ・・・・・・辞めろ!!
別に俺の事だけを言ってる訳じゃねぇ
でも、俺と兄ちゃんを比べられたみたい


“怖い、もうここから逃げたい”

そんな事出来るはずないだろが!
俺は鈴里の代表としてここにいるんだ
皆の気持ちを背負ってコートに立っている
こんな事で心が折れてどうする
まだ、試合は終わってねーだろ

『さっきからリベロばっかり狙われてるよね』

『もうあのリベロ変えた方がよくない?』

『でも、3年でしょ?』

上原先輩!?
まさか、1回戦での衝突でどこか痛めて
そんな!!     まさかなっ
嘘だと誰か言ってくれよ

ピィーッ――

【鈴里メンバーチェンジです】

まもる「上原先輩!!」

わたる「ごめん、後は頼んだ。勝とうな」

まもる「はいっ」

「真盛、頼んだぞっ」大声

まもる「思いっきり叩かないでよ〜」

「悪い悪い」

上原先輩はやっぱり泣いていた
気づかれたくなくて陰に隠れてるけど
それでも分かった
先輩の分まで。3年の先輩をここで終わらせたくない!!
まだ、このメンバーで戦いたい