「じゃ、帰るね。」
「おー。じゃあな。」
急がないと!
ドアの方へ歩き出したとき……
開いていた窓から強い春の風が入ってき
た。
思わず窓の方をみると、何枚かの桜の花び
らがゆっくりと舞いながら下に落ちてい
く。
それをボーッと見ていた。なにかの世界に
吸い込まれるように……。
そして…………………………
「青島。」
ゆっくり名前を呼ばれて、もう誰か分かる
声の主の方へ振り向いた時
そっと、彼の腕が伸びてきた……
え……?
時が止まったようにじっと彼の動きを追
う。
すると今度は彼の後ろからなめらかに吹い
てくる風と共に、どこかでかいだことのあ
る甘い香りに時間を忘れさせられた。
彼の腕は次第に私に近づき髪にそっとふれ
た。
「及嵜……君?」
「ついてたよ。」
「えっ?」
彼の手のひらには一枚の桜の花びらがあっ
た。
「あ……ありがと……。」
聞こえるか聞こえないかの声で、お礼をい
う……。
「おー。じゃあな。」
急がないと!
ドアの方へ歩き出したとき……
開いていた窓から強い春の風が入ってき
た。
思わず窓の方をみると、何枚かの桜の花び
らがゆっくりと舞いながら下に落ちてい
く。
それをボーッと見ていた。なにかの世界に
吸い込まれるように……。
そして…………………………
「青島。」
ゆっくり名前を呼ばれて、もう誰か分かる
声の主の方へ振り向いた時
そっと、彼の腕が伸びてきた……
え……?
時が止まったようにじっと彼の動きを追
う。
すると今度は彼の後ろからなめらかに吹い
てくる風と共に、どこかでかいだことのあ
る甘い香りに時間を忘れさせられた。
彼の腕は次第に私に近づき髪にそっとふれ
た。
「及嵜……君?」
「ついてたよ。」
「えっ?」
彼の手のひらには一枚の桜の花びらがあっ
た。
「あ……ありがと……。」
聞こえるか聞こえないかの声で、お礼をい
う……。
