「ていうか、はい。これ。」


「あ。」


すっかり目の前に差し出された紙の存在を

わすれてた……。

「あ、ありがと。ごめんね!」


「ピアノの上にあったけど。誰かが机の中

の忘れ物に気づいて置いておいたんじゃな

い?」


「あーそうかも。」


「結構音楽できるんだね。」


彼はプリントを見ながら言った。


「音楽だけは得意だったの。でも中学のと

き、それ以外は全然だめだったよ(笑)」


「オレ、音楽ダメなんたよね……。」


「え、そうなの!?」


「音符、オタマジャクシに見えない?」

あまりにも真面目な顔でいうから思わず笑

っちゃった。


「それは、結構重症だよ(笑)あ、そうだ、こ

のプリント渡してくれたお礼に今度音楽教

えてあげる!」


「え、まじ?じゃあ、オレその課題のプリ

ント、全然わかんねーから明日教えてくれ

ない?」


「うん!いいよ。……あっ!真理待たせてる

んだった!!」


ごめん真理。話に夢中になってわすれてた

よ……(苦笑)