それから、あまり会話もなく今いる桜

の世界にただただ吸い込まれていた。


話さなくても、この雰囲気が心地よい……

普通は気まずくなるけど、何故かそんなこ

となかった。



しばらく歩いていると、木の間に小さなベ

ンチをみつけた。


「ちょっと休憩する?」

うん。座りながら楽しむのもいいかもしれ

ない。


「そうだね。」


「んじゃ、ちょっと待ってて。」

「うん。」


ベンチに腰をかけて空をみる。