『四日目。今から会いに行くから!また眠るなよ!』
「え……今からって……」
また眠るなよってことは、雄太郎さんが私が目覚めたことを一紀に教えたのだろうか。
スマホを見ると夕方の5時を回っていた。
日付を確認すると、今日は平日だった。
「学校、休んじゃったんだな……」
今まで学校を休んだことなかったのに。
私は上半身を起こし、スリッパを履いてスタンドみたいになっている私よりも背の高い点滴台をカラカラと押しながら洗面台へと向かった。
洗面台の鏡に映る自分の顔は、とってもほっそりしていて血色も悪く、自分ではないみたいだった。
こんな状態で今から一紀に会うのかと思うと、すごく嫌だったが、一紀のメッセージを見たらそんな悩みなんてちっぽけに感じられてしまうほどだった。
一紀はあの時の男の子と連絡先を交換している。
雄太郎さんが言えなかった……知らなかった私のことを知っているかもしれない。
鏡に映る自分の顔をじっと見つめ、「彩智」と語りかけた。
自分ではないような顔に語り掛けたからか、本当にそこにいるのは私ではない『彩智』のような気がして不思議な感覚だった。
「あなたは、雄太郎さんとどういう話をしてたのかな?雄太郎さんは、優花の私に悩みなんて相談したことなかったんだよ……?」
私が一紀に悩みを話したくなるように、雄太郎さんと彩智もお互いが悩みを吐き出せるようなそんな大事な関係だったのかな?

