「おはよう。私も話に混ぜてもらってもいい?」



話をしていた女子たちは話を止め、一斉に私を見た。

緊張で胸がドキンと高鳴ったが、三人のうちの女子がにこりと笑い、「いいよ」と言ってくれたことで緊張がほぐれた。



「私、武田「(たけだ)優花。よろしく。元1組なんだ」



「へえ!元1組ってことは、間宮君と同じクラスだったんだ?」



「間宮くんって……バスケ部の?」



「そうそう!他クラスでも格好いいって有名だったよ」



……そんな感じで前のクラスの会話をしたり自己紹介をしたりしていたら、1日目だったけれどそれなりに話せる人は出来た。

とりあえず、菜子以外にも話したり一緒にお昼を食べたりする友達ができて良かったとほっとした。


放課後菜子と一緒にカラオケに行くという話をしたら、「私も行きたい!」という子が何人かいて、菜子にLINEで連絡をとったら、「いいよ!」ということだったので、みんなでカラオケに行くことになった。

その話は、菜子の仲良くなったクラスの人や、近くでその話を聞いていた男子たちの耳にも入り、最終的には部活もなく暇を持て余した人たちがたくさん集まって、20人近くの大人数になった。


菜子は、「まさかこんなに集まるなんて思わなかったね」とびっくりして、最初は人見知りの菜子らしくびくびくしていたけれど、歌をうたったり、みんなで騒いだりしているうちに、打ち解けたみたいだった。

私は、そんな菜子をみているだけでなんだか満足で、友達が出来ないんだと言って悩んでいた菜子にとっては、良いきっかけになったようで嬉しかった。


歌い終わって満足している菜子が隣に座った。