「ああ。俺は武田さんとクラスが一緒で。たまたま一緒にいたんだよ」
 


「それにしても美由紀さんに弟がいたなんて……しかも同じ学校だったとは……教えてくれたら良かったのに」
 


「うーん……まあ、そうなんだけど、余計なことで優花ちゃんに無理させたくなかったし。ね?」
 


美由紀さんはそう言って、私の方を振り返るとにっこりと微笑んだ。
 


「おい。余計な事って俺のことか!?」
 


高森君が美由紀さんに食いつくようにそう行ったけど、「まあまあ、いいじゃないの」と軽く受け流された。
 


「そんな気を遣わなくてもいいのに……私は、元気ですよ?」
 


「ふふ。それなら安心した。ね?雄太郎」
 

美由紀さんが、私の言葉を聞いて雄兄に答えを促すと、雄兄は「そうだな」と言って優しく笑いながら小さく頷いた。