「まずは、色々謝らせて下さい。私が雄太郎さんに依存したせいで、恋人である美由紀さんに不快な思いをさせてしまったこと。

記憶が戻ってからずっと言えないままで、今日になってしまってごめんなさい。

ただ、ちゃんと一紀とのことをはっきりさせた上で、この言葉が嘘のない言葉だと分かって欲しくて今のタイミングで言うことにしたんです。

美由紀さんは、私が雄兄のことを好きだと勘違いしていましたよね?」
 



「え……好き、だったんじゃないの?」
 


「いいえ。私は雄太郎さんの事を友達として好きでしたが、それ以上はありません。

きっと依存しすぎた気持ちがいきすぎた感情だったのだと思います。

一紀に抱く感情と、あの時の感情は別のものなので、はっきりと言えます。

だからあの時、美由紀さんが雄太郎さんと相談して、兄妹にしてくれて本当にありがたく思っています。

だって兄妹だったら、離れていても大丈夫って思えるじゃないですか。

母親に捨てられた私が言うのもなんですけど……『雄兄』はよく出来た、妹が大好きな兄なので私も安心なんですよ」

 

私が笑いながらそのことを話していたら、美由紀さんは急に泣き出した。