雄兄は、安心したように微笑むと、「その気持ちは本当だと思うよ」と隣にいた美由紀さんの頭をぽんぽんと撫でた。

見上げた美由紀さんを優しく見つめながら雄兄が、「せっかくだし、『俺ら』からも報告。俺と美由紀。二人で海外で働くことになったんだ。向こうの大学の研究室から誘われててさ」と言った。

 

「結婚……するの?」
 


私がそう尋ねると、二人が照れ臭そうに頷いた。
 


「そうだと思ってた。おめでとう」
 


「ありがとう。優花からの報告、まさか一紀君の口から聞くと思ってなかったけど、俺もそうだと思ってた」
 


「似てるよね、私たち……ここまで来ると本当に兄妹だったみたいに思える」
 


「そうだな。俺も優花のこと本当の兄妹みたいに、これからも見守っていきたいと思ってるよ。ということでおめでたいことが重なったんだし、食べようか」
 


雄兄は、食卓テーブルに座り、私たちも席に着いた。


ただ、私の隣で一紀だけが不機嫌そうな表情を変えないままだった。