*
家に帰ると、リビングの食卓テーブルの上にはごちそうが準備されていた。
ちらし寿司に、一紀が好きなしょうゆ味のからあげ、私の好きな出汁巻き。
「これ準備するために、一紀と一緒に大学に行ってこいって言ったんだね」
「そうそう。車で送って行ったら準備出来なかったからね」
「変だと思ったんだよね。こういう時に車で送らないなんてさ。美由紀さんと作ったの?」
「うん、正解。まあほとんどが雄太郎が作ったようなものだけどね」
美由紀さんはそう言って、雄兄の腕に自分の腕を絡ませて、雄兄と見上げて微笑んだ。
「あのさ」
そんな、会話をぷちんと切るように、一紀の怒ったような厳しい声が部屋に響いた。
「雄太郎さん、俺、優花と付き合うことになったから」
「ちょっと、一紀、何で今!?」
唐突にそんなことを言う一紀にびっくりした。
私から雄兄に言おうと思っていたのに……。
「……優花が俺の事好きって言ってくれたんだ。俺、嬉しかったけど聞いたんだ。雄太郎さんのことはいいの?って」
「一紀!」
「ちょっと、優花は黙ってて」
一紀が怒って、私の言葉を止めた。
私をきっと睨み付けたかと思うと、その視線はそのまま雄兄へ向かった。
「優花、こう言ったよ。どうして?雄太郎さんは友達なのにって。それが当たり前のような顔して言うんだ」
雄兄は、そんな一紀の言葉に顔色一つ変えずに、「そりゃあそうだよ。本当に友達だからね」と、私に同意を求めるように頷きながら言葉を返した。
私は、その言葉に返すように頷いた。
「だって、優花は一紀君の事好きって言ったんだろ?」
そう発したのは自分なのだが、それを改めて他の人の口から聞くと、急に照れ臭くなった。
家に帰ると、リビングの食卓テーブルの上にはごちそうが準備されていた。
ちらし寿司に、一紀が好きなしょうゆ味のからあげ、私の好きな出汁巻き。
「これ準備するために、一紀と一緒に大学に行ってこいって言ったんだね」
「そうそう。車で送って行ったら準備出来なかったからね」
「変だと思ったんだよね。こういう時に車で送らないなんてさ。美由紀さんと作ったの?」
「うん、正解。まあほとんどが雄太郎が作ったようなものだけどね」
美由紀さんはそう言って、雄兄の腕に自分の腕を絡ませて、雄兄と見上げて微笑んだ。
「あのさ」
そんな、会話をぷちんと切るように、一紀の怒ったような厳しい声が部屋に響いた。
「雄太郎さん、俺、優花と付き合うことになったから」
「ちょっと、一紀、何で今!?」
唐突にそんなことを言う一紀にびっくりした。
私から雄兄に言おうと思っていたのに……。
「……優花が俺の事好きって言ってくれたんだ。俺、嬉しかったけど聞いたんだ。雄太郎さんのことはいいの?って」
「一紀!」
「ちょっと、優花は黙ってて」
一紀が怒って、私の言葉を止めた。
私をきっと睨み付けたかと思うと、その視線はそのまま雄兄へ向かった。
「優花、こう言ったよ。どうして?雄太郎さんは友達なのにって。それが当たり前のような顔して言うんだ」
雄兄は、そんな一紀の言葉に顔色一つ変えずに、「そりゃあそうだよ。本当に友達だからね」と、私に同意を求めるように頷きながら言葉を返した。
私は、その言葉に返すように頷いた。
「だって、優花は一紀君の事好きって言ったんだろ?」
そう発したのは自分なのだが、それを改めて他の人の口から聞くと、急に照れ臭くなった。

