「やっぱりそう思う?俺もそう思っうんだよね」
パラパラとアルバムをめくる私たちを、拓がじっと見つめていた。
「どうした?急に静かになっちゃって」
「……俺にとっての彩智はいつもこんな感じの静かな笑顔だったから。だからお前たちがあんまり笑ってないっていうけど、俺にはこの笑い方が普通かな」
拓はどこか寂しそうに笑うと、「もしかしたら、『優花』でいる方が本当に幸せなのかもな」と私たちから視線を外して見終わったアルバムを片づけ始めた。
そんな寂しそうにしている拓のことをなんだか放っておけなくて、私は自分の気持ちを拓に告げた。
「あのね、私は確かに『彩智』だった時の記憶はないからその時どんな気持ちで過ごしていたかは分からない……でもこうして拓が心配してくれてることで、『彩智』だった頃の私は救われている気がするんだ。だからこうして力になってくれてありがとうね」
「彩智……」
拓は私の手を取ってぎゅっと握った。
「俺こそありがと……本当は、彩智がいなくなってからずっと後悔してたんだ。俺、フラれた後彩智のことずっと避けてたから。だから……ありがとう」
拓はさらにぎゅうっと力を込めて両手で私の手を握ると、パッと離して立ち上がった。

