「一年生の生徒は分かっているかと思いますが、D組の佐々宮 智春さんが亡くなりました。そして、放送の件については今、警察が来ていて調べてもらっています。このような事がこの学校で起きてしまい誠に残念で仕方がありません。……ここで生徒にお願いがあります。警察の方に質問をされた場合素直に答えて下さい。この事件を解決する為にも協力をお願い致します」
と、言うと霧霜先生は頭を下げた。すると、私の隣にいた霧霜 霰が小さな言葉で
「頭なんか下げちゃって…笑えるんですけど」
と、言った。そして、終わるかと思えば私に
「どう思う?こんなに時にしか頭下げなくてさぁ?」
「学校長って、君の両親だよね?」
「そうだよ?学校長は私のお母さん。霧霜 水花。私は霧霜 霰。そしてそして、三つ子の妹雫ちゃんに気弱な弟雷ちゃん。そして、いとこ関係にある雨に雪ちゃん、晴君私達霧霜家は皆ここを卒業するの。面白いでしょ?」
「私には面白さは感じてこないけど、肝心な時にしか頭を下げないのはまあ、あれだね…」
「ねぇ、そこさぁ」
と、話に水をさしてきたのは霰の後ろに座っている雫だった。
「話してんだからもう少し静かにするか、黙ってくれない?怒られて迷惑するのはアタシと雷の方なんだからさ…」
「はいはい」
と、呆れたように言って霰は言葉を発しなくなった。
「警察がこの事件についてまとめ終わるまで皆さんは体育館内で待機です。喋るのは良しとします。体育館外には出ないように。そして、トイレの場合は近くにいる先生に断り、行くように。これで私からの話を終わります」
と、いいステージから降りた。するとみんなはバラバラになり友達同士で話し出した。私はそれを眺めながら事件のことを振り返る。
「なんか、これだけじゃあ終わらない気がするなぁ……」
と、不意に言葉に出してしまった。内心「あ」と、思ったが近くにいた人以外は聞いていなかった。近くにいた人と言っても霧霜6人に雪咲、彩希奈だけだ。すると、霰が再び
「私も思うよぉ」
「残念ながら、アタシも」
「ボク…も」
「私は、無いと期待したいです」
「私は……うーん……。わかんないっ!」
「雨、雪、晴はどう?」
私はいろんな意見を聞きたいがために3人にも尋ねる。
「僕は知らない」
「私はあったら嫌だなぁ。晴は?」
「え?俺?……あるに1票」
「えっと……まとめると、あるが5票。期待とその他で4票か……まあ、五分五分だね」
「だろうねぇ。あ!」
「霰どうした?」
「アレ見てよ」
と、霰が指を指す。そこにはトイレに行く為の行列って程でもない列だった。
「1人ずつなんだね……」
「厳重…当たり前か」
「ねぇ!抜け出さない?」
「は?霰何言ってんの?」
「私、暇なんだもん。教室にノート取りに行きたい!」
「こう言い出すと霰は止まらないんです」
と、呆れながら雫は言う。それに頷く雷君もいた。
「霰になんか構ってなんかいられんから、俺と雨、雪は抜けるぜ?」
「どーぞどーぞ。ご勝手にぃ」
小学校上がる前の子供のように言う霰。本当に高校生なのか怪しく思える。
「んで、抜け道とかある訳なんですか霰様」
棒読みで雫が言う。
「私は抜け道は分かっている!誰かメモ帳とかない?」
「これを……」
「さっすが!雫君私の助手だ!」
演技なのかわからない芝居に付き合う雫を見ていると辛くなってきた。それに対して彩希奈と雪咲はノリノリだ。
「えっと、こう書いて……こうっ!」
と、霰が書いた絵を見るとなんともまあ美術の成績を聞きたくなるほどの雑な絵だった。四角く覆われそこに体育館と書いてある。そして、隣の枠には校舎と書いてある。
「この体育館は二階建て。階段がここにある。ここに行くためには体育館を出なければならない。出るためには、トイレに行くという用事のみ。だが、ステージの横からも行けるのだ!」
「あー、そんな事をお母さん言ってたね……」
「って事で、バレずに上に行ければ勝ち組って事よ!2階と3階に教室があるから、かと言って私らの教室はすぐそこ!バレなければすぐに行ける距離だ!ふっふっふっ」
「霰ちゃん凄い!」
雪咲が完璧その演技にのめり込んでいる。
「さっすが、霰だね!私はそこまで考えつかないよ!」
おだてる彩希奈もいた。
「どうもどうも〜」
おだてに調子を乗る霰。呆れる私と雫。そして、呆然とたっている雷君。
「んで、人選選びだ!私と雫の他に誰か推薦!」
「なら、アタシからミアユで……」
「わっ…わたし!?」
「おっけーおっけ!んじゃぁ、雪咲君と彩希奈君と雷君はここで食い止め係を命ずる!」
「はっはぁ!」
2人は同時に言い頭を下げる。それに続いて雷君も頭を下げる。
「それでは、作戦開始だっ!」
と、霰が走ろうとすると腕を捕まれ危うく転ぶところだった。
「何をするんだね!」
と、霰が顔を見上げると、目の前にはソウラがいた。
「ソウラ……」
「誰だお主は!」
「俺は藍澤 ソウラ。そこにいるバカミアユの兄だ」
「誰がバカだ……」
「バカはバカだろ」
「ミアユちゃんはバカじゃありませんっ。いっつも授業中に教えてくれています!」
「雪咲……」
「ふーん。意外に優しいところあんじゃんかよ。まあいい。体育館からは出ない方が良い。被疑者になるぞ」
「……え?被疑者?」
「ああ。それでもいいなら行け。お前のその力で変えれるんならな……」
「は?」
「兄妹喧嘩はだめよ?」
「西島先輩……」
「じゃあね。ミアユちゃん」
西島先輩は手を振り私の元から去っていった。
「……意味わかんね」
「その力とはどういう意味だったのでしょうか」
雫がボソッと呟く。
「私は知らないよ。運いい方じゃないし…力だってないし……」
「ミアユ…そういう意味ではないと思います。ですが、被疑者とはどういう…というより力。………まさかっ!」
「雫?」
「霰っ!アレだよアレ!」
「アレって?………………」
「あーもう!」
と叫びヒソヒソ話をし始めた。
「ねぇ。雫、それは私達に話せない事?」
「えぇ。起こってからでないと」
「んじゃあ、悪いもの良いもの?」
「悪いものですが、悪いどころじゃない。恐ろしいもの…」
「本当になれば私達も消し済みだよ!早くステージに!」
「あ、ああ!」
「彩希奈、雪咲、雷行くよ!」
「う、うん」
「おうっ!」
「は、はいっ!」
私達は気付かれない程度に走りステージに向かった。
「ふぅ…。こっち!」
私達は霰に指示されながら階段を登り、体育館を出た。
と、言うと霧霜先生は頭を下げた。すると、私の隣にいた霧霜 霰が小さな言葉で
「頭なんか下げちゃって…笑えるんですけど」
と、言った。そして、終わるかと思えば私に
「どう思う?こんなに時にしか頭下げなくてさぁ?」
「学校長って、君の両親だよね?」
「そうだよ?学校長は私のお母さん。霧霜 水花。私は霧霜 霰。そしてそして、三つ子の妹雫ちゃんに気弱な弟雷ちゃん。そして、いとこ関係にある雨に雪ちゃん、晴君私達霧霜家は皆ここを卒業するの。面白いでしょ?」
「私には面白さは感じてこないけど、肝心な時にしか頭を下げないのはまあ、あれだね…」
「ねぇ、そこさぁ」
と、話に水をさしてきたのは霰の後ろに座っている雫だった。
「話してんだからもう少し静かにするか、黙ってくれない?怒られて迷惑するのはアタシと雷の方なんだからさ…」
「はいはい」
と、呆れたように言って霰は言葉を発しなくなった。
「警察がこの事件についてまとめ終わるまで皆さんは体育館内で待機です。喋るのは良しとします。体育館外には出ないように。そして、トイレの場合は近くにいる先生に断り、行くように。これで私からの話を終わります」
と、いいステージから降りた。するとみんなはバラバラになり友達同士で話し出した。私はそれを眺めながら事件のことを振り返る。
「なんか、これだけじゃあ終わらない気がするなぁ……」
と、不意に言葉に出してしまった。内心「あ」と、思ったが近くにいた人以外は聞いていなかった。近くにいた人と言っても霧霜6人に雪咲、彩希奈だけだ。すると、霰が再び
「私も思うよぉ」
「残念ながら、アタシも」
「ボク…も」
「私は、無いと期待したいです」
「私は……うーん……。わかんないっ!」
「雨、雪、晴はどう?」
私はいろんな意見を聞きたいがために3人にも尋ねる。
「僕は知らない」
「私はあったら嫌だなぁ。晴は?」
「え?俺?……あるに1票」
「えっと……まとめると、あるが5票。期待とその他で4票か……まあ、五分五分だね」
「だろうねぇ。あ!」
「霰どうした?」
「アレ見てよ」
と、霰が指を指す。そこにはトイレに行く為の行列って程でもない列だった。
「1人ずつなんだね……」
「厳重…当たり前か」
「ねぇ!抜け出さない?」
「は?霰何言ってんの?」
「私、暇なんだもん。教室にノート取りに行きたい!」
「こう言い出すと霰は止まらないんです」
と、呆れながら雫は言う。それに頷く雷君もいた。
「霰になんか構ってなんかいられんから、俺と雨、雪は抜けるぜ?」
「どーぞどーぞ。ご勝手にぃ」
小学校上がる前の子供のように言う霰。本当に高校生なのか怪しく思える。
「んで、抜け道とかある訳なんですか霰様」
棒読みで雫が言う。
「私は抜け道は分かっている!誰かメモ帳とかない?」
「これを……」
「さっすが!雫君私の助手だ!」
演技なのかわからない芝居に付き合う雫を見ていると辛くなってきた。それに対して彩希奈と雪咲はノリノリだ。
「えっと、こう書いて……こうっ!」
と、霰が書いた絵を見るとなんともまあ美術の成績を聞きたくなるほどの雑な絵だった。四角く覆われそこに体育館と書いてある。そして、隣の枠には校舎と書いてある。
「この体育館は二階建て。階段がここにある。ここに行くためには体育館を出なければならない。出るためには、トイレに行くという用事のみ。だが、ステージの横からも行けるのだ!」
「あー、そんな事をお母さん言ってたね……」
「って事で、バレずに上に行ければ勝ち組って事よ!2階と3階に教室があるから、かと言って私らの教室はすぐそこ!バレなければすぐに行ける距離だ!ふっふっふっ」
「霰ちゃん凄い!」
雪咲が完璧その演技にのめり込んでいる。
「さっすが、霰だね!私はそこまで考えつかないよ!」
おだてる彩希奈もいた。
「どうもどうも〜」
おだてに調子を乗る霰。呆れる私と雫。そして、呆然とたっている雷君。
「んで、人選選びだ!私と雫の他に誰か推薦!」
「なら、アタシからミアユで……」
「わっ…わたし!?」
「おっけーおっけ!んじゃぁ、雪咲君と彩希奈君と雷君はここで食い止め係を命ずる!」
「はっはぁ!」
2人は同時に言い頭を下げる。それに続いて雷君も頭を下げる。
「それでは、作戦開始だっ!」
と、霰が走ろうとすると腕を捕まれ危うく転ぶところだった。
「何をするんだね!」
と、霰が顔を見上げると、目の前にはソウラがいた。
「ソウラ……」
「誰だお主は!」
「俺は藍澤 ソウラ。そこにいるバカミアユの兄だ」
「誰がバカだ……」
「バカはバカだろ」
「ミアユちゃんはバカじゃありませんっ。いっつも授業中に教えてくれています!」
「雪咲……」
「ふーん。意外に優しいところあんじゃんかよ。まあいい。体育館からは出ない方が良い。被疑者になるぞ」
「……え?被疑者?」
「ああ。それでもいいなら行け。お前のその力で変えれるんならな……」
「は?」
「兄妹喧嘩はだめよ?」
「西島先輩……」
「じゃあね。ミアユちゃん」
西島先輩は手を振り私の元から去っていった。
「……意味わかんね」
「その力とはどういう意味だったのでしょうか」
雫がボソッと呟く。
「私は知らないよ。運いい方じゃないし…力だってないし……」
「ミアユ…そういう意味ではないと思います。ですが、被疑者とはどういう…というより力。………まさかっ!」
「雫?」
「霰っ!アレだよアレ!」
「アレって?………………」
「あーもう!」
と叫びヒソヒソ話をし始めた。
「ねぇ。雫、それは私達に話せない事?」
「えぇ。起こってからでないと」
「んじゃあ、悪いもの良いもの?」
「悪いものですが、悪いどころじゃない。恐ろしいもの…」
「本当になれば私達も消し済みだよ!早くステージに!」
「あ、ああ!」
「彩希奈、雪咲、雷行くよ!」
「う、うん」
「おうっ!」
「は、はいっ!」
私達は気付かれない程度に走りステージに向かった。
「ふぅ…。こっち!」
私達は霰に指示されながら階段を登り、体育館を出た。


