「まあ、とりあえず食べよう!美味しそう」
いただきます、と二人で手を合わせてから箸をとった。
私は気づかれないようにこっそり頭蓋さんの方を見つめる。
朝から私を押し倒してキスをするぐらい元気がある彼も、食事中は大人の余裕を醸し出す。
なんというか……こういうときの彼は何をしても色っぽい。
「ん?なーに、綾」
「いえ、特に」
色っぽいと思ってた、なんて言えるわけがない。顔が嘘だと言っていそうで、ぷいっと視線をそらした。
と、含み笑いをする気配。
「見惚れたの?」
「……馬鹿ですか」
「ーーえ、その反応、もしかして本当?」
「自意識過剰!ナルシスト!」
「……え、ど、どうしよう。綾が俺に見惚れてくれてた……」
「馬鹿!阿呆!」
あれ、私の罵倒はこんなにレパートリーが少なかったっけ?
「動揺してる綾可愛い」
ああ、こいつのせいか。
