こんにちは、頭蓋さん。




この際はっきり言ってやろうか、最近抱えている悩みというやつを。


さっきのウェイターが頭の中に姿を現す。彼だって言っていた、菓にも悩みをきいてくれる脳ぐらいはあるだろうと。



「……私、」

「ご注文はお決まりですか?」

「……」

「……」

「ああごめん、お話中だった?」



もちろん私の決意を遮ったのはさっき私の頭の中に出てきたウェイター。おい。


冷たいお茶と適当に開いたページのオムライスを選んで伝える。


菓は相変わらずコーヒーだけ注文した後、笑ってウェイターの脛を蹴った。蹴られた本人も笑っている。この二人怖い。


若干引いていたらすぐにウェイターが下がったので、気を取り直して話を切り出す。



「私、最近なんだかよくわからなくなってきて」

「頭蓋さんのこと?最初っからわかってねーじゃん」

「いやそれはそうだけど」



たしかに最初から彼のことはわかっていない。名前も職業も知らないただの隣人。


わかっているのは、不本意なことに他の女から聞いた彼の年齢のみ。


私はこの間出会った女の人のことと、彼女から聞いたことを菓に伝えた。



「んじゃーよく小説にある、隣人が実は有名人で〜みたいなことはないんだな。上司と同僚がいるんだから」



菓、そんな線を疑っていたのか。

そりゃ頭蓋さんは顔も綺麗だし本名を教えてくれないが、そんな突飛な話そうそうない。



「それで、よくわからないってのは?」



ちょうど話が変わるタイミングで、菓の知り合いとは別のウェイターが料理を運んできてくれた。


お茶がきたので水を飲み干して、頭を整理する。ここからが本題なのだ。