私の今の生活は両親の稼ぎで成り立っている。彼らはどうも協調性がない私を心配し、一人暮らしに反対していた。
まぁこの性格は生まれ持っての物だからどうにも出来ないんだけれど。
それゆえバイトをしてもきっとクビになる、なんて勝手に妄想された私は、お金に関する全てを両親に託していた。
毎月何万円かが口座に振り込まれるのだ。
「どういうこと?」
別にバイトをするのは構わないけれど、そこまで収入には困らなかった我が家に何があったのか気になる。
問いただせば、お母さんは心底申し訳なさそうに伝えてきた。
私には3歳年下の弟がいる。
そいつはバスケ一筋の為か今年、バスケでここ何年もインターハイ出場を果たしている強豪の私立高校に入学した。
どうやら弟の私立高校と私の私立大学が重なったせいで最近節約が必要らしい。
「普通そういうとこは入学前に考えとくんだけどな……」
阿呆な両親というか。そのおかげでの今の私の性格、とも言える。
とまあそういう事情があり、早いうちにバイトを探さないといけない。そこで、麻野さんなのだ。
