こんにちは、頭蓋さん。




もう弁当で気力はないけれど簡単なものを作る。手抜きでも美味しいと言って食べてくれるのはありがたい。



「昨日の分微妙に終わってないんだよね。早めに出る」



だから昨日パソコンに向かっていたのか。いつもより早くスーツに着替え始めた頭蓋さんに納得。


どうやら車の修理は終わっているようで、数日前から車で出勤している彼がこの時間に行くんだから、微妙といっても忙しいんだろう。



「……じゃあ、行ってきます」



玄関に行くのを着いて行く。もちろん後ろに弁当を持って。まるで新婚。考えるだけで恥ずかしいからとりあえず頭蓋さんを睨む。



「……え、なに?」

「なにも。……頭蓋さん、」



この一言に、勇気がいる。



「弁当、遅くなりました」



ゆっくり差し出すと、柄にもなく彼の顔を見つめてしまう。


ふわりと笑った頭蓋さんは、弁当を受け取った手と違う手で私の腰を引き寄せた。



「……ご褒美」



甘く深い、とろけるようなキスだった。


昨日お礼と称してキスをねだってきた辺りでこのご褒美に勘付いていたのは秘密だ。



職場に行きたくないと駄々をこね始める頭蓋さんの腹に一発ぶち込み、私も支度をした。