こんにちは、頭蓋さん。




何かを忘れている気がする。重い彼の腕を退かすのは諦め、頭の隅を探った。


晩御飯の片付け……そういえばやっていない。カレーだったから早く皿を洗わないと。


リビングに脱ぎ捨てたままの服……外で着ていたものだから洗濯しないと。


風呂も入っていない。って今日も大学に行かないといけない、平日なのに何を流されたんだ私……!


今更昨日の私と頭蓋さんを恨む。自覚すると余計に腰が痛くなるように感じた。頭蓋さんも仕事なのに……。



「……あ」



そうだ、弁当。


頭蓋さんは私が弁当を作ることを知らない。まぁもしかしたら期待してるかもしれないけど。


私も出来るまでは内緒でいたいし、頭蓋さんが起きるだろう7時までに作り終わらないといけない。


そうなると、今起きなければ。なんて決意したものの、先程から腰に回される腕が離れない。



「……邪魔」



あいにく口で聞かない相手には手が出るので、脇に一発いれてあげると腕が緩まった。


その瞬間を逃さずに抜け出し、簡単に下着を着てリビングへ向かう。