少し怪訝に思っていると、それに気づいた頭蓋さんは意味深に笑った。
「……そんなことより、早くカレー食べたいな」
話を逸らされムッとするが、野菜を放っておくわけにもいかないのでキッチンに向かった。
私がカレー作りを交代すると、頭蓋さんはリビングのソファーに座ってパソコンで仕事を始めた。
なんの仕事なのか気になるが、曖昧な関係上そんな踏み入ったことは聞けない。……今までにどれだけこの脳内葛藤をしただろうか。
「……はい、出来ました」
「ありがとう、綾!」
「具はやっててくれましたから」
実際いつもより少し早めの夕飯だ。
食べてみると、いつも私が作るカレーと微妙に味が違った。
「……美味しい」
「俺の綾への愛情のおかげだね」
「え、キモイです」
「……」
撃沈した頭蓋さんを横目にカレーを食べ続ける。そんな彼を見ていると、ついぽろっと思ったことを零してしまった。
「……頭蓋さんってヘタレ?」
ただ純粋に、嫌味もなく言った言葉だ。彼を見ていたら誰でもそう思うはず。
「朝は遅いし、車ぶつけるし、私に暴言吐かれるし」
