菓に告白をするような人間がいたなんて。
その子がかわいそうだ。こんなに騒がしくて馴れ馴れしい男に恋をして振られるなんて。
「まあそいつ、桐島に超似てるやつだったんだけど」
「はぁ!?やめてよ気持ち悪い。いや、その子を貶す気持ちは一切ないけど、待ってよ、それって私の思考がその子に似てるってこと?」
つまり私が菓に恋をする、みたいな展開じゃないか。二度言おう。キモチワルイ。
「いや、なんつーか、雰囲気とか容姿とか。でもあいつは講義中に居眠りしねーな」
「嫌味」
成績は良いはずだからどう言われようと構わない。
「…あーもう、俺が振った話とかどうでもいいだろ。とにかく!桐島は彼氏への弁当頑張れ」
俺今から高校に遊びに行ってくるから、と菓はフォークを置いて席をたつ。
なんだか、この男への相談は役にたったのか微妙なところだ。
帰りは近くのスーパーに寄った。とりあえず弁当の為に食材を買ってきたのだ。
現在の時刻は7時30分。
注意しなければならないことは、頭蓋さんに弁当作りがバレないことと、麻野さんにからかわれないことだ。
