スーパーマーケットでたまに彼女を見かけるものの、いきなり話し掛ける訳にもいかず、知り合いになる事が出来なかった。

町コン、秋川さん来るかな、参加どうしようか。

もう、締め切りは目の前に迫っていた。

「篠原君、町コンどうする?ああ、そうだ、参加者名簿見る?この凉香ちゃんって、美人で有名なんだよ!それから、この二人は双子で区別が付きにくくてさぁ。」

山本君の言葉が素通りして、頭で理解出来なくなった。

名簿の最後の方に、秋川ひとみ、とあった。

この秋川さんは、あの俺がお近づきになりたいと思っている彼女だろうか?

珍しい名字じゃないから、別人の可能性も捨てきれない。

名字しか知らないから判断がつかない。

かといって、山本君に訊ねるのもはばかられる。

ここは、町コンに参加して………。

「篠原君?どしたの?聞いてる?」

「山本さん、俺、参加する事に決めました!電話で申し込むの、ありですよね!さっそく電話しちゃいます!!」

別人かも知れない。しかし、本人の可能性だってある!第一次接近遭遇を夢見て参加しようじゃないか!!
決戦は10日後に迫っていた。