『カレーライス、作りすぎました。食べに来ませんか?』

そんな文面を見て、俺は飛び上がらんばかりに浮かれてしまった!

飲み物はありませんと言って来たので、嬉々として冷蔵庫から缶ビールと缶チューハイを取り出す。

こんな事もあろうかと、コンビニで買って常備しておいたのだ。

早速、彼女の部屋に行く。
玄関の戸が開くと、カレーの香りがただよっていた。

社交辞令じゃなく、本当に誘ってくれるなんて、感激だった。

友達と思われていようが、今はまだ幸せだった。


「これ、飲み物。」

「有り難うございます。座ってて下さい。」

前回来た時は緊張のあまり辺りを見渡す余裕がなかったが、改めて見ると俺の部屋と同じ間取りだ。

が、置いてる家具なども違うので、かなり雰囲気が違った。

思ったよりも可愛らしい物は無かったが、明るいラグマットが敷いてあり、一人にしては大きめの座卓が置かれていた。

ソファーが無かったので座卓の側にあぐらをかく。かしこまって足が痺れるよりも、自分らしく行こうと思ったのだ。


「ありあわせの物なんだけど。」
そう言って彼女が小鉢を並べていく。

肉巻きポテト、揚げだし豆腐、シーザーサラダ。

「カレーライス食べたくなったら出すから言ってくださいね。」

そう言って、彼女も俺の正面に座り、俺はビール、彼女は酎ハイでで乾杯した。

彼女の部屋で、彼女の手作りの料理を堪能する。もう、この上ない幸せを噛みしめていた。