「篠原クン、趣味はなぁに?」
「兄弟いるのぉ?」

双子の姉妹が、甘ったるい声で話し掛けてきた。

秋川さんと話したいのに、邪魔に入られた。
邪険にする訳にもいかず、質問に答える。

「特に、これといった趣味はありません。兄が一人いますよ。」

「次男なんだぁ!じゃあ親の面倒見なくて良いのネ。」

「ねぇ、携帯の番号交換しようヨ!」

秋川さんの番号は欲しいけど、この双子の番号はありがた迷惑かな。
さて、どう切り抜けようか。

ふと辺りを見回すと、結構な人だかりになっている場所があった。
何だろう?

男性が6人と、女性が1人。
ああ、美人で有名って言われてた確か、凉香さんだったかな。
彼女と携帯番号を交換したくて群がっているのか。

確かに美人ではあるかな。
でも俺の好みではないな。
俺はやっぱり、秋川さんが気に入った。

「凉ちゃん、独り占めじゃん!」
「凉ちゃんが参加するって知ってたら今回来なかったのにネエ。」

双子は悔しそうだ。

俺は双子から逃げ出そうと、トイレに行く事にした。