安梨〜




もうすぐ文化祭が始まります。




私の所は小さな喫茶店…。






「安梨!」





静奈どうしたの…?




慌てて…。






「聞いたョ!お兄ちゃんから…!」








葉山君、静奈にも話したんだ…。






「そ〜の?
お、葉山君からなんて聞かされたの?」






葉山君、静奈にどんな風に私と付き合うって話したのかを聞きたい…。






「お兄ちゃん、好きな人がいててその人に好きな人が出来たからショックで慌てて告って抱きしめたって…。
でも、大胆な話しだね〜!」







そうなんだ…。







あの葉山君が…。







「安梨〜!聞いてる?
おーい!」





あの葉山君が…?






嘘みたいに付き合えれたんだ…。







「安梨、どうしたの?」




「それがさ…!」





「静奈!」






「ハイ、ハイ!」





もう〜。






静奈のお喋り…。







でも、ちょっぴり嬉しい…。







キンコンカンコーン〜





「安梨!
美味しい餡蜜が出来たんだけど、行かない?」





餡蜜…。









「行きたい!」






「おーい。
和泉!お客が来てるぞ!」




葉山君…。







「なんでここに?」





クラスに来るのは2度目…。







1度目は初めてあって、奈多君と来た時…。




そして2度目が今…。







「和泉とそのー!」







えっ?




「わかった、お兄ちゃん!
安梨と一緒に帰ろって思って来たんでしょ?」






「静奈…!」







そうなの?





「葉山君、そうなの…?」






「別に、イヤだったらいいんだ!
じゃ…。」







葉山君が恥ずかしそうに…。








しかも、私を迎えに来てるなんて…。










「一緒に帰ってあげなよ!」









静奈…。








「照れてるお兄ちゃん!
初めてみたし…。結構いい所あるよ…。」








「有難う!
静奈…。」




静奈がそんな風に言ってくれて助かった…。








「ちょっと…。安梨何処に行くのさ…?」







「麗蘭ちゃん!ゴメンね…。」








私、葉山君がとことん好きになって行くの…。








「待って葉山君…!」








歩くのが早い…。








「和泉…!」







中々追いつくのに大変…。






「一緒に、よかったら帰ろう…。」






誘ってくれたのに、悪いしね…。









「…おう!」









こうやって何回も二人で歩くせいか、見慣れた風景…。






「なぁ、なんで俺があの時〝フリ〝しろって言うたのかわかったような気がする…。」






奈多君もなんで美愛に〝フリ〝してって言うたのか少しはわかった気がする…。






「そ、そうだね…。」







夕陽に包まれた私達…。






きっと私達の為に照らしてくれてるんだよね?