君に触れたい……。

「……取り合えず、行ってみよう? きっと楽しい思い出だって、あるから……。思い出せるようにさ。ね?」


「鈴…君……」


涙が流れる。


透明な雫が、雪の白い頬に跡を残す。


「……ありがとう……、鈴君」



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雪の案内で向かったのは、川沿いにある住宅街。