そして、俺はその人を知っていた。


「……綾崎……?」


そう、呼んだ。


目の前に居るのは、綾崎雪(あやさききよ
)。


一年の時、同じクラスだった女子生徒だ。


しかし、それは有り得なかった。


何故なら綾崎は今、入院している筈だったから。