君に触れたい……。

今日に至るまで、沢山のことが起こった。


まさか生き霊だとは思っていなかったが、それでも、そのお陰で雪に触れられたのだから、出会えたのだから、気にならなかった。


「鈴君~」


俺がぼんやりとしていると、雪がこちらに駆けてきていた。


「お疲れ、雪」


ふっ、と笑ってそう言うと、雪は嬉しそうに微笑んで、俺の手を握った。


冷気ですっかり冷えていた俺の手が、雪の体温で徐々に暖められていく。