プロローグ

ﾊｧ、ﾊｧ、助けてくれ！お願いだ！


男は叫ぶ。

ダメだ、と赤い影が男の後ろに回り、腕で首を締め上げる。

青い影が、それに迫り、男の胸に手を当てる。

男は倒れて、起き上がらなかった。

赤い影と、青い影は、その場からそっと消えた。

①
東京のアパートに、一人の男がいる。厳密にいうと、母親と二人暮らしの男。そう、それは、


僕、山田 広、30歳だ。朝刊を配り終えて家に帰ったところだ。

そう、僕の仕事は、新聞配達だ。

お母さんに今月の給料の半分をわたし、残りは財布に詰め込んだ。お母さんの作ったカレーを食べると秋葉原に向かった。
秋葉原に行く、目的はアイドルのアイちゃんの新グッズを買うためだ。僕は、ポスターを二枚買って家に戻った。

二枚のポスターを自分の部屋に張った。それを、ずっと見ていると、お母さんが夕食だと僕を呼ぶ。

台所に行くと、シチューが食卓にあった。僕は、それを美味しく食べて寝た。

朝、起きて新聞を配り、家に帰ると、また寝た。起きると秋葉原に行く。アイちゃんのニューシングルを買い、家に戻り部屋で、ずっと聞く。僕は、そのまま寝てしまった。