ばかって言う君が好き。


…別に浮気が発覚したわけじゃなくて。
ただ彼が可愛がってる後輩が女だったってだけで。

仕事の付き合いだし、しょうがないこと。

私が勝手に男だって決めつけてただけだし……。直人だって、きっと隠してるわけじゃない。

でも、一つ私はひっかかることがあって。


もし、あの時のあの電話が彼女からだとしたら―――はじめて彼から電話を切られたあの時。彼は私よりも彼女の電話を優先した……?


「いっぱい洗濯物あるね。」

「あ、うん。」
 籠一杯に入ってる洗濯物を彼が持ってくる。

「夜、まわしちゃってさ。
シーツとかも洗いたいんだけど…。」
 私はゆっくり起き上がる。

「こら。倫子は寝てなさい。俺がやるから。」
  そう言ってベランダに出ていった彼。一枚一枚しわを伸ばしながら、丁寧に干してくれる。

私が座ったままそんな彼を見ていると、直人はちらっとこっちを見て、

「寝てなさい」
 そう口パクした。

…うん。こんな優しい人がするわけない。

大丈夫、話してみよう。
今はここに彼がいるんだもの。

ちゃんと彼の気持ちを聞こう。
そう私達、再会したとき話したじゃない。