……チッチッチ。
……チッチッチッチ。
時計の針の音で目を覚ます。

「あ、寝ちゃってた。」
 つけっぱなしのテレビの端に、2時34分と。

真っ暗な部屋で光っているのはまだ続いていた音楽番組と、携帯のぴかんぴかんという通知。

携帯を手にとって確認した。

もう寝た?

1時30分。彼から来ていた“それ”からもう1時間。
もう寝ちゃったかなあと思いながら、彼へ電話した。

実は初めて彼にかける電話で、内心ドキドキ。

1コール、2コール、3コール……
やっぱり寝ちゃったよね……。


ガチャ
「もしもし?」

「あ、直人?ごめん、もう寝てた?」

「いや、まだテレビ見てた。あけましておめでとう。」
 少し眠そうな彼の声。

「おめでとうございます。」
 それから始まる私たちの他愛もない話。
今年はどこへ行こうとか、散々いじめられた弟さんたちの話とか。

結局私たちは、明け方までずっとおしゃべりを続けていた。


通話を切って、自分の部屋に既に移動していた私はベッドに転がる。

携帯を枕元に置いて、目を閉じて――――。


ピンポン

明けて初めての電話楽しかったです。
(倫子からの初電話でもあるしw)

今年もよろしくな。
おやすみ。


真っ暗な部屋を
通知の光がぴかんぴかんと照らすのだった。