ねぇ、先輩。

試合が始まる前、誰もいない控え室で俺は固まった。

こんなにも緊張する試合なんて初めてだ。
今日の大会は3年生の引退がかかっている。
あぁ、吐きそうだ。

頭を抱えてじっとベンチに座っていると誰かが控え室に入ってきた。

「…………真弘?」
「………先輩?」

スポーツドリンクとタオルを持った先輩が入ってきた。

「先輩、仕事は?」
「終わったよ」

すると、先輩はなにも言わず俺の隣に座った。

「………緊張、してるの?」
「してないっすよ」