3人だった。
いつも3人だったの。
3人の毎日。

会いたいよ。 会いたいっ。。

〜栞里〜

7/29 晴れ


蓮、聞いてー


蓮は苦笑いをしながらいつもいつも三希の話を聞いていた。
三希はいつも何かあれば蓮にばっか頼って。
そろそろ自立したらいいのにね。

どした?


うち好きな人できた。

場が静まった。
いきなり三希が真剣な表情だったから。

だからなんだよ笑

苦笑いして蓮はまた三希に言葉を返した
それでも三希はいつもの冗談を言う時の表情と違ってた。

ーーもしかして蓮っ??

私が慌ててききだした。
何で焦ってんだろ。

三希は蓮が好なの??

2人が私を見た。
蓮は動揺してた。
三希は俯いた。(うつむいた)

そうだよ。
蓮がすき。うち蓮が好きなの。

沈黙が続いた。
変な空気が流れた。
それと同時に私の心は憎しみの気持ちで溢れてきた。
そして気付いた。

ーー私も蓮が好きなんだ。


嘘だよ嘘。笑
嘘にきまってんじゃんか笑
2人とも何か暗いよ〜?

三希が嘘って言い出した。
いや、何だよ嘘って。
嘘ってそんな簡単についていいわけ?
うちらはあんたのその勝手な嘘のせいで傷ついてんだよ。

だよなっ笑
三希に限って俺のこと好きになるわけねーもんな笑

蓮が三希に笑って言うと三希はいつもこような笑顔に戻っていた。

ーーなんだよ。嘘とかつくなよ。

栞里〜?

心の中が一瞬でドキドキした。
熱くなってきた。

なっ、、何さねっ??

蓮が栞里の様子を伺うように見た。

いゃ、栞里さっきから黙ってばっかだしーー
体調でも悪いのか?

悪くないよー
ただ疲れただけ〜

ーーーーーーーーーーーーー

晴れた日の部活帰り。
今日までいつもと変わらない日々だったのに、日々に亀裂が走って私達3人は変わっていった。


ーーーーーーーーーーーーー

〜三希〜

ーー信じてもらえるわけないよね。
蓮が好きだって。

部活から帰ってきた三希はシャワーを浴びて速攻ベットに入り携帯を触った。

一件の着信

<部活お疲れ〜
今日の嘘は驚いたわ〜笑
本気にするから今度からはやめろよ?
笑>

嘘ではなかった。
三希は蓮が好きだった。
携帯を見た途端、三希は大きなため息をついた。

ーー嘘じゃねーし

そしてメール作成画面を開けて蓮へ返信した。

<ごめん。
そんなに本気にすることじゃないよ笑>

送信ボタンを押す。
携帯を枕の横に置いて目を瞑った。


ーーーーーーーーーーーーー


7/30




朝練の三希は寝坊をし、時計を見て慌てて飛び起きた。

やばっ!

急いで部活の準備をし家を出る。
机の上に並んでいた朝ごはんも食べずに起きてから5分以内で家を出、一直線に学校まで走り出す。



昨日から夕飯も食べずに。
今日も朝食抜き。

ーーーーーーーーーーーーー


〜栞里〜

ーー三希が遅刻をして来た。
珍しい。
何かあったのか??


遅いよ三希ー!
遅刻遅刻〜

蓮、栞里、三希 は中学の頃から同じ陸上部だった。
遅刻なんてしたことがなかった三希は陸上部の部員に頭を下げて謝った。

ごめんっ
ほんとごめんっ!!


大丈夫だろ
そんな遅刻じゃないじゃん
たかが3分だし笑

陸上部の3分は大きいはずだが、蓮は謝っている三希を見て笑いながらフォローを入れた。

じゃ、練習始めよっ!!

ーーーーーーーーーーーーー

〜蓮〜


栞里が練習へと切り替え、みんなが正門前に集まって行った。
三希は走って来たので辛そうな表情を浮かべた。

いっ、、今走んの??

当たり前 笑

2人でペアになり、2人1つでストップウォッチを渡された。

ぜーぜー言いながら休憩をしていた三希は嫌々受け取り、ちょうど隣にいた蓮とペアになった。

おぃ、三希とペアなんだけど笑
ペース落とすとかなしだかんな?笑

私なめてんのーー?

いや、別に 笑

2人でリレー的な感じの練習。
1人が外周を2分10秒〜30秒の間で走り、
帰ってきたらストップウォッチを受け取り、受け取った人も同じ事をする。
それを3セットだけやる練習。
陸上部からしたら余裕らしい。

気楽に走っている蓮。
陸上部で1番早い。
誰も抜かせない。
抜かしたことがない。
だから蓮とペアの子は幸運の持ち主とまで言われるくらいなのだ。

2分など少しの間だ。
次に三希が走る番が来た。
ストップウォッチが三希に渡され、三希が走った。

お疲れ〜

走れっ!

そんな怒んないでよーー

ーー怒ってねーよ。。

蓮が一息つく頃に周りは次のペアへと変わって行った。
栞里も最初だったので蓮の隣で一息ついた。

お疲れ〜

疲れてないけどね 笑

昨日の話には触れなかった。

沈黙が続いた。

その時に栞里が口を開いた。

ねーー、
蓮はさ〜
三希が本気で蓮の事好きだったらどーする?

おぃ、あれ嘘だろ?笑

だから嘘じゃなかったらの話じゃん笑

想像に任せるわ笑

想像だったらねー
付き合ってそう。笑

想像すんな笑

想像に任せるって言ったよね??笑

言ったっけ?笑

楽しそうに会話をしていると2分はとっくに過ぎていた。
栞里は頭に疑問が浮かんだ。

ねぇ
三希遅くないっ?

今日の三希はおかしいと蓮に言った。
三希が遅刻したり、目標時間をオーバーする事なんて今まで一度もなかった。


ほんとだなー笑
あいつマジでお仕置きだな笑


栞里だけが深刻な表情を見せた。


他の人も遅くないっ……?


その時に部員の叫ぶ声が2人の耳に入った。

“誰か救急車”
“先生呼べ”

ーーーーーーーーーー