「お、伊藤じゃん」
小麦色に焼けたその男の子は人懐っこそうな笑顔で私に声をかけた。
同じクラスの男の子だ。
いつもみんなに囲まれてて、人気な男の子。
でも名前、、なんだっけ?
「お、おつかれ!」
名前なんですか?なんてきけるはずもなく出た言葉。
「ありがと、伊藤もいつもおつかれ」
ん、なにがおつかれ?
別に部活してるわけでもないし、たしかにコンビニで買い物したけど、、
ってそんなはずないか。
「あ、いつも掃除当番してるから、そのことだよ」
あぁ、そのことか!
なんて理解したと同時にまさかそんなこと言われるなんておもってもみなくてちょっと驚いた。
「まぁ掃除当番結構すきだし、疲れてないよ!」
「はは!そっか!」
まぶしすぎる笑顔にちょっと戸惑って目を逸らした。
「じゃあ、俺練習戻るわ!また明日な!」
「うん、また明日」
なんとなく彼が人気な理由がわかる。
かっこよくて優しくて、皆に気を配れるタイプなんだろうな。
走る彼の後ろ姿を見つめながらそう思った。
なんとなく顔が熱く感じるのはきっと夏のせいだ。
