ひとこいめぐる。


「なんかすげー見られてる気がするんだけど、、」

矢野くんの言葉にハッと我にかえった。
み、みすぎた!
「あ、ごめん!」
「いや、いいけど、、」
絶対変なやつだと思われた。
顔のほてりが中々治らなくて手でパタパタとあおいだ。

「今日あついね!」
「俺もそー思う。」

落ち着け私。

「まことー!もーすぐミーティングはじまっちゃうよ!!」
靴に履き替え、一緒に出ると、マネージャーであると思われる可愛い女の子がやって来た。
多分まことっていうのは矢野くんのこと。

「あ!わりぃ!すぐ行く!」

「じゃあありがとう、部活頑張ってね」
「うん、また、明日な!」
お互いさよならの言葉を言ったのに私は矢野くんが行ってから去ろうと思ってたのに矢野くんは中々部活に行かなかった。
「あれ?伊藤もしかしておれが行ってから帰るつもりだった?」
「え、うん。」
「ははっ!おれも!」
お互い相手が先に行くのを待ってたら延々に帰れない。
「ははっ、本当だ。じゃあ矢野くん先に行って!」
えーーなんて言ってくれる矢野くんの言葉がいちいち嬉しい。

「ねぇ、早くいこっ」
そうだ。今ここにはマネージャーもいたんだ。
つんつんと矢野くんの袖を引っ張るその子は誰が見ても可愛い女の子。
でもなんとなく睨まれてる気がする。

「あ、せりなごめん!じゃあ俺いくわ!」
「ほんとまことはすぐに誰かれ構わず話しかけるんだから!」
バイバイと手を振ったけど、見えるのは2人の後ろ姿。