お嬢様 × 御曹司

たけくんに急かされて、急いで買うものを決める。


後の人が詰まってるから、なるべく長いしないようにしたいらしい。


小さなことでも他の人に気を使えるってなかなかできないことだと思うの。


だからこそ、彼の考えに私は同感。


そうだそうだ、早く決めなくちゃ。


えーっと、恋愛のお守りと学問のお守り。


…恋愛のお守り、もう一個買おうかな?


私は彼を見上げた。


「これください!」


たけくんはテキパキと決めてそう叫び、お金を払っている。


お守りを買って、君との恋がうまくいくならいいけど…


「これください。」


私は、3つのお守りを買った。


袋をカバンに入れて、列から離れようとするけど、私のちっこい身長じゃそれは難しいみたい。


「聖夜、買えたか?」


「うん、大丈夫だよ。」


たけくんに手をつないで引っ張られ、いとも簡単に人ごみから抜け出した。


これが体格の差というやつですな。


今日は雪でも降りそうな淀んだ雲のせいで、手がかじかむほど寒い。


だけど、たけくんと繋いだ手だけは、暖かかった。