お嬢様 × 御曹司

「なんか、心が軽くなった。」


そう呟くと、たけくんは「だろ?」と言って、得意気に笑った。


その態度がおかしくて、私までつられて笑う。


次は、やっと私たちはの番だ。


お賽銭を入れて、鈴の音を大きくならす。


パンパンと手を叩き、神様にご挨拶をする。


それを済ませると、おみくじの方へ二人で歩いていった。


お参りしたから、たけくんと手が離れちゃって、少し残念だけど。


なんて言えませんけどね!


「おみくじなんて久しぶり!」


「本当?俺毎年やってるよ。」


結構な確率で当たるんだ、と自分のことのように話すたけくんがおかしくてまた笑う。


たけくんに怪訝な顔をされながらもおみくじを引いた。


「「せーの!」」


同時に開けておみくじを見せ合う。


私のおみくじは中吉。


彼のおみくじも中吉だった。


「すげー!いっしょ!」


たけくんが子供のようにはしゃぐ。


おみくじてそこまではしゃぐんだね。


なんか可愛い!


「書いてある内容は違うんだな。」


私のと自分のを見比べながら、ふむふむと言っている彼。


ふむふむって言う必要ないでしょ!


いつもクールのくせに、天然なんだから。


「ふふふ。」


また笑っちゃう。


私、たけくんにあってから笑ってばっかりだな。


「くくりつけて帰るんだから、書いてある内容よく見ときなよ!」


「え、持ち帰らないの?」


「うん。他の人も結構やってるじゃん?」


確かに、松の木に体力の白い紙がついてるな〜と思ったらおみくじだった。


よし、ちゃんと見ておこう。


えーっと、学問『気を抜かなければ良好』。


探し物?『親族に聞けば見つかる』なにそれ?


「あとは…」


恋愛…恋愛⁈


『今の人がベスト思い続けると吉』


うっそ…当たって欲しい!


「聖夜もういい?」


「う、うん!」


そう答えると、高い位置におみくじをつけてくれた。


さすが男の子の体格だなぁと思う。


「行こうか。」


少し寂しくなっていた手に、また彼の手がすんなり飛び込んできて、顔には出さなかったものの、すごく嬉しかった。